2018.07.30部下へのフィードバックで行動を変えるには?

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今回はマネジメントをされている方が日々実践されているフィードバックについて、部下へのフィードバックで部下の行動を変えるためのポイントを解説していきます。

部下へのフィードバックの重要性


まずは人材育成の理論として有名な経験学習モデルの中の「内省」の観点からフィードバックの重要性をお伝えします。

経験学習モデルにおける内省は成長する上で重要とお考えの方がほとんどだと思います。その内省のプロセスをJay&Johnsonは「描写」「比較」「批判」という3つの要素に分解して考えています。

まず第一に内省を行う者は、自分が内省しようとする物事・出来事について、事実を「描写」することができなくてはなりません。

次に「比較」のフェーズです。描写が終わった際には、その出来事に対して自己が意味づけを行う必要があり、そのうえでそれとは異なる視点からその出来事をさらに意味づけることができなくてはなりません。

最後に「批判」では議論を行いより高い次元の結論を見いだし、新たな視点を有することが求められるとJay&Johnsonは言っています。

しかし、描写〜批判を部下一人で行うことは容易ではないため、部下が自分の行動を改善するためには、上司がどのように部下の内省を支援をするか、どのように部下の経験にフィードバックを与えるかが重要になります。

ただし、いくら上司が内省支援のためのコミュニケーションを取っても、受けいれる・受けいれないを決める権利は受けとる側にあります。ここにフィードバックで部下の行動を変えるためのポイントがあります。

そこでここからはフィードバックを与える側が考えなければならないポイントを紹介していきたいと思います。

なぜフィードバックで部下の行動は変わらないのか?


フィードバックには感謝/指導/評価の3種類があると言われています。実はフィードバックで部下の行動が変わらない原因の一つに、このフィードバックのタイプを混同してしまうことがあげられます。

そのフィードバックのタイプを混同しないためには、まず以下の質問を考えフィードバックの目的を一致させることが重要です。

・フィードバックを与える/受けとる目的は何か?
・自分から見てその目的は正しいと言えるか?
・自分以外の人から見てその目的は正しいと言えるか?

そして、フィードバックを行う際は指導と感謝のフィードバックはできるだけ評価と分けることもポイントです。

たとえ部下が行動を変えるつもりでフィードバックに臨んでも、部下は「期待以上」の貢献をしたつもりが、「期待通り」との評価しかもらえなければその先の言葉は耳に入りづらくなります。

その場合、評価のフィードバックを最初に行い、少なくとも数日できれば1週間あけて感謝・指導のフィードバックを行うのが良いとされます。そして指導と感謝のフィードバックはどちらもそれが必要なときにその場でもらわないと効果が薄れるため、毎日でもプロジェクトごとでもいつでもできることが理想です。

また、フィードバックを行っても部下の行動が変わらないそれ以外の原因として、受けとる側の期待するフィードバックと与える側がしているフィードバックのタイプが違う場合があります。例えば感謝を期待していたのに評価のフィードバックをもらった場合です。

上司がフィードバックによって部下の行動を変えたいのであれば、部下がどの種類のフィードバックを求めているのかを注意深く観察する必要があります。まずは部下が求めているフィードバックを満たしてあげてから、行動変化を促していきましょう。

さらに以下の問題でフィードバックが受け入れられないことがあるので注意が必要です。

1.フィードバックが間違っている
フィードバックを拒む一番の理由はフィードバックが間違っていることです。他にもアドバイスの内容が悪い、評価の仕方が不公平、自分に関する情報が古いなどがあげられます。

2.人間関係
フィードバックは、くれた相手が誰かによっても見方が変わります。相手の説得力のなさや信頼性のなさ、動機の疑わしさなどから、フィードバックをあなたからはもらいたくない、本当の原因はあなたなのにこちらのせいにしようとしていないかとなってしまうことがあります。

3.アイデンティティ
自分を批判する言葉が耳に入ってくると自分のアイデンティティを攻撃されたと感じ、反撃の準備か逃げ出す準備をしてしまいます。そうすると実りある会話に専念できなくなてしまいます。

部下へのフィードバックで行動を変えるためのポイント


上司と部下という関係ではフィードバックを伝えるだけではなく、それを基に部下に行動を変えてもらうためにはどうすれば良いのでしょうか?

部下の行動を変えるフィードバックのポイントとしてクルト・レヴィンという心理学者の理論を基にした態度変容の3ステップを紹介します。

態度変容の3ステップ


ところで皆様は四角い氷を丸い形に変えようとするときにどうしますか?

 

アイスピックを使ってガンガン、ではなかなか思うとおりの丸にはなりませんし、力加減を間違うと割れてしまいます。四角い氷を綺麗な丸にするには、まず四角い氷をいったん溶かして水にする(解凍=アンフリーズ)、次にその氷を丸い容器に入れる(変化=チェンジ)、そして再び冷やして氷にする(再凍結=リフリーズ)必要があります。

人の気持ちも同じです。ともすると「変化」させようとアイスピックでガンガン、「なんでこうしないんだ」「もっとこうしてくれ」としてしまいます。その結果、フィードバックした内容を実行していない、実行したふりをして効果が出ないなどのことが起こります。

人の行動を変えたいのであれば、まず気持ちを溶かすことから始めるべきです。そのために、一方的に戦略を語る、指示を出すのではなく、相手の考え方やずっと続けてきた仕事のやり方などを聞き、理解して共感することが相手を「変化」させることにつながります。

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この記事を書いた人

COO

元Deloitteグループ、リンクアンドモチベーション出身のコンサルタント。 トレーニングや教育制度設計などの人材開発、採用や組織づくりなどの組織開発のコンサルティングに従事。人材育成・採用・モチベーションなど得意分野や好きな分野もHR領域。 セールスでは新規事業分野においてDeloittグループ、リンクアンドモチベーション両社でトップセールスを獲得。